予防接種Q&A

目次

Q1: 一般的に予防接種は受けた方がいいの?
Q2: 予防接種の副作用が心配です。
Q3: 予防接種はたくさんありますが、何から受ければいいの?
Q4: 予防接種の同時接種は問題ありませんか?
Q5: 卵アレルキ゛ーの子供はインフルエンサ゛の予防接種は出来ないのでしょうか?
Q6: 1才未満の乳児にインフルエンサ゛の予防接種はできますか?
Q7: インフルエンサ゛の予防接種を受ければインフルエンサ゛にはかかりませんか?
Q8: 予防接種はやはり痛いですか?
Q9: 子宮頸がん予防ワクチンってなに?
Q10: ロタウイルスワクチンってなに?
Q11: ロタウイルスワクチンのロタリックスとロタテックってどうちがうの?
Q12: B型肝炎ワクチン、B型肝炎ってなに?
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Q1: 一般的に予防接種は受けた方がいいの?

 

A: 受けるのと、受けないのを比べると、それは受けた方がいいでしょう。受けなくてもいいような予防接種であれば誰も受けませんので、そもそもこの世の中に存在しません。ちなみに、私の息子2人は自費ワクチンも含めてほぼすべての予防接種を受けています。当時にヒフ゛ワクチン、肺炎球菌ワクチンがあれば受けさせたでしょう。ちなみに現在、公費(無料)で受けることができる予防接種の金額をすべてあわせると子供1人当たりおおよそ18万円ぐらいになります。
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Q2: 予防接種の副作用が心配です。

 

A: そもそも予防接種とは、死んだり弱めたりしたウイルスや細菌を体に入れて、わざと軽い病気にすることです。予防接種の後に熱が出たり、だるくなったり、打ったところが腫れたり、発疹が出たりすることはよくあります。これらの軽い副作用は自然に治ります。軽い病気から回復することで、こんど本当の強いウイルスや細菌が体に入ってきたときに病気にならなかったり、かかっても軽くすみます。ただし、何万回に1回ぐらいの割合で重篤な副作用(後遺症)があることも事実です。しかし、それは予防接種をせずにその病気にかかって後遺症が残ってしまう確率よりはるかに低いものです。
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Q3: 予防接種はたくさんありますが、何から受ければいいの?

 

A:お勧めは
   2ヶ月頃にヒフ゛と肺炎球菌の1回目
       すぐにB型肝炎と4種混合とロタの1回目

 

   3〜4ヶ月頃にヒフ゛と肺炎球菌の2回目
       すぐにB型肝炎と4種混合とロタの2回目

 

   5ヶ月頃にヒフ゛と肺炎球菌の3回目
       すぐに4種混合の3回目とBCG

 

   7〜8ヶ月頃にB型肝炎の3回目
    の順がいいと思います。

 

   1歳になれば
    麻疹・風疹混合(MR)ワクチンと水痘ワクチンの1回目

 

    その後ヒフ゛と肺炎球菌と4種混合の追加を順次受ければいいでしょう。
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Q4: 予防接種の同時接種は問題ありませんか?

 

A: 単独接種と同時接種を比較したところ、発熱、腕の腫れなどの副反応の差はありませんでした。海外の同時接種のデータでも単独接種と比較して副反応の差はありませんでした。以上より同時接種は問題ないと考えられています。ただし、どうしても同時接種が心配という方はすべての予防接種を単独接種とすることも可能です。ちなみに当院では同時接種の場合、左右の腕に打つので2種類までとさせていただきます。
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Q5: 卵アレルキ゛ーの子供はインフルエンサ゛の予防接種は出来ないのでしょうか?

 

A: これはインフエンサ゛ワクチンを作る際にニワトリの卵を使うためです。 最終的に卵の成分は十分に除去しますが完全には取り除けず,ほんのわずか残ってしまいます。 しかし残った量はほんのごく微量で,アレルキ゛ー反応を起こす事はほとんどないと考えられています。 ただしこれまでに卵を食べてひどいアレルキ゛ーの出た子供さんや血液検査で卵アレルキ゛ーの数値の高い子供さんなどは薄めたワクチンを少し接種して何もなければ予防接種をするといった配慮が必要かもしれません。 また卵そのものを食べるとアレルキ゛ーが出てしまうが卵製品は食べてもアレルキ゛ーは出ないといったお子さんの場合には普通にインフルエンサ゛の予防接種をしていただいても問題は無いとされています。ただし、万が一、接種後にショック状態になったときのことを考えれば設備の整った病院で接種することをお勧めします。
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Q6: 1才未満の乳児にインフルエンサ゛の予防接種はできますか?

 

A: 一般的に生後6ヶ月未満児にはインフルエンサ゛ワクチンを接種しません。これは、ワクチンの効果と副反応に関しての研究が少ないことや、この月齢までは母体からの免疫があるためです。また6ヶ月以上1歳未満児に関しては、平成22年度までの接種量1回0.1mlではその有効性が実証されませんでした。しかし、平成23年度から接種量が1回0.25mlに増えるため、効果が期待できるかもしれません。1歳未満のインフルエンサ゛予防接種についてはかかりつけの先生とよく相談してください。
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Q7: インフルエンサ゛の予防接種を受ければインフルエンサ゛にはかかりませんか?

 

A: インフルエンサ゛の予防接種を受けても、インフルエンサ゛にかかることはよくあります。これはインフルエンサ゛の予防接種は感染を完全に防ぐというよりも、かかった場合に重症化させないといった意味合いが強いワクチンです。
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Q8: 予防接種はやはり痛いですか?

 

A: 予防接種は痛いです。しかしその痛みは針をさす痛みではなく、予防接種の液が体に入るときの痛みです。さらに予防接種の種類により痛みの強さが違います。当院で採用している針は非常に細いので針の痛みはほとんど感じません。そのおかげで予防接種の種類によっては接種しても子供さんはほとんど泣きません。
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Q9: 子宮頸がん予防ワクチンってなに?

 

A: 子宮頸がんの原因はHPVというウイルスです。女性の80%が一生に一度は感染するありふれたウイルスですが、まれに子宮頸がんを引き起こします。子宮頸がん予防ワクチンはその感染を防ぐワクチンです。ただし、すでに感染してしまった方には効果はありません。そこで、まだ感染していないであろう(HPVは性交渉で感染します)、中学生や高校生のときに予防接種をします。少し注射の痛みはありますが、将来子宮頸がんの可能性が少なくなるのであれば、接種する価値はあると思います。ちなみに、私の奥さんにはだめもと??で接種しました。

 

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Q10: ロタウイルスワクチンってなに??

 

A: ロタウイルスは嘔吐下痢症(ウイルス性胃腸炎)を引き起こすウイルスの一つです。毎年冬に流行します。残念ながらロタウイルスに直接効くお薬はないので、自然によくなるのを吐き気止めや整腸剤を使いながら待つだけですが、時々脱水症状が強くなり入院となります。また、まれに脳炎や脳症を引き起こすこともあります。ロタウイルスワクチンを内服接種することにより約80〜90%予防することができると言われています。                                                              注)ロタワクチンは飲むワクチンです。ワクチンを飲むと体の中で弱められたロタウイルスが増殖し、それを体が認識することにより免疫ができます。万が一、ロタワクチンを飲んだ後に吐いたとしても、少しでも飲めたり、口の中に残っていれば、それが増殖するため効果に違いはありません。当院でワクチン内服後に嘔吐したとしても、飲みなおしは行いません。また来院の1時間前より授乳は控えてください。
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Q11: ロタウイルスワクチンのロタリックスとロタテックってどう違うの??

 

A: ロタリックスとロタテックは両方ともにロタウイルスワクチンで効果は同じです。ロタリックスは生後6週から24週の間に2回内服し、ロタテックは生後6週から32週の間に3回内服します。当院での料金は両者ともほぼ同じです。他の予防接種もたくさんあるので、当院では接種回数の少ないロタリックスを主に使っています。
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Q12: B型肝炎ワクチン、B型肝炎ってなに?

 

A: B型肝炎ウイルスによる感染で、通常は急性肝炎になりますが、治療でほとんどは治ります。ただし子供が感染するとキャリア(肝炎の症状は出ないがウイルスが住みついて、将来慢性肝炎となり、その後肝ガンになる。)となりやすく、ほかの人にも感染させてしまいます。子供への感染の多くはキャリアのお母さんから出生する際の母子感染ですが、生後すぐにB型肝炎ワクチンを打つことで防ぐことができます。しかし最近、キャリアの人との接触(だ液、汗、涙)でも感染することがあるとわかってきました。そこで1歳までに予防接種を行うことでこれらの感染を防ぐことになりました。また成人になってから接種するよりも子供のうちに接種するほうが、効果が高いといわれています。ちなみに医療従事者は血液での感染が多いので、みなさんB型肝炎ワクチンを接種しています。